2026年9月29日(火)
「ごはん中、座っていられない!」園と家での違い&食事トラブルへの向き合い方 – 第7回 元保育士スタッフのひそひそばなし
みなさん、こんにちは!元保育士スタッフのFです。
9月に入ってから涼しい日が増え、美味しい食べ物もいっぱいの「食欲の秋」がやってきましたね!🍁
さて、今回は「質問箱」に届いた保護者の方からの切実なお悩みにお答えしたいと思います。
【いただいたご質問】
「ごはん中、食べ終わるまでイスに座っていられません。また、お茶を飲んでいるとわざと口から出して遊びたがるようになってしまいました。どうしたらいいですか?」
質問をいただき、本当にありがとうございます!✨
「ご飯中に立ってしまう」「食べ物やお茶で遊んでしまう」というのは、小さなお子さまを育てる多くのご家庭が一度は直面する“育児あるある”ではないでしょうか。
毎日準備したご飯を目の前にして、座ってくれなかったりお茶を吐き出されたりすると、大人もついイライラしてしまったり、「私の教え方が悪いのかな…」と悩んでしまいますよね。😢
また、「保育園や幼稚園ではちゃんと座って食べられていると聞くのに、どうしてお家だとできないんだろう?」と不思議に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、園とお家での姿の違いの理由と、今日から試せる具体的な対応のコツを元保育士の視点からたっぷりとお届けします!💡
🏫 なぜ?「園ではできるのに、お家だと座れない」理由
保育園とご家庭での姿が違うのは、食事に限らずよくあることです。
私たち保育士も声かけや環境作りの工夫はしていますが、園で座れる一番の理由はテクニックではなく「お子さまにとってのリラックス度の違い」にあります。
園の生活にどんなに慣れていても、保育園は友達や先生がいる「社会の場」です。
お子さまなりに「ちょっと良い格好をしたい」「周りと同じように頑張ろう」と緊張感をもって過ごしています。
一方で、お家はお子さまにとって世界で一番安心できる場所です。
取り繕う必要もなく、お父さんやお母さんに甘えたり、自分のわがままや気持ちを思う存分出せる場所だからこそ、緊張の糸がほぐれて「座りたくない!」「遊びたい!」という本音がダイレクトに出てしまうのです。
つまり、お家で座れなかったり遊んでしまったりするのは、お父さん・お母さんの前で心を許して心から安心している証拠でもあるんですよ。🏠✨
🍽️ 「立ち上がってしまう・遊んでしまう」原因と解決のヒント
心が安心している証拠とはいえ、毎日の食事で困ってしまうのも事実ですよね。
ここからは、具体的な理由別のポイントをご紹介します。
① 姿勢が不安定(足がついていない) 🦶
子どもが食事中にウロウロしてしまう物理的な原因として、実はとても多いのが「足が床(または椅子の足置き)についていない」ことです。
足がぶらぶら浮いている状態は、大人で言うと「足のつかない高いバーカウンターの椅子に座り続けている」ようなもの。
体幹が安定せず、すぐに疲れて姿勢を崩したくなってしまいます。
子どもの気持ちになって考えてみると、足が浮いていたらついついブンブン振ってみたくなったり、おさまりが悪くて立ち上がりたくなってしまうのも納得ですよね。
また、逆に足置きが低すぎても足の行き場がなくなり、落ち着かなくなってしまいます。 そこで、保育園でも実践しているおすすめの改善策をご紹介します!
- 🪑 成長に合わせた高さ調整 足置きのついたキッズチェアを使い、お子さまの成長に合わせて細かく高さを調整してあげましょう。
- 📦 牛乳パックや箱で手軽に高さアップ 調整しきれずに足が浮いてしまう場合は、牛乳パックの中に新聞紙などを詰めて作った台や、固めの箱を足元に置いてみてください。「足の裏全体がしっかりつく」環境を作ってあげるだけで姿勢が安定し、集中して座っていられる時間がぐんと伸びることがあります。
実はこの「牛乳パックの台」、他の場面でも大活躍なんです! それが……「トイレトレーニング(トイトレ)」!🚽
保育園のトイレは子どもサイズで作られているため、座ったときに自然と足がつき、踏ん張りやすい環境になっています。
でも、お家のトイレは大人用なので高さがあり、お子さまの足は宙ぶらりんになってしまいがちですよね。
市販の踏み台だと高さを微調整するのが難しいことも……。
そんな時こそ、この牛乳パック台の出番です!
牛乳パックなら個数を増やしたり減らしたりして高さの微調整がカンタンにできるので、トイトレの踏ん張り台としてもピッタリなんです。
1つ作っておくと、色んな場面で長く使えてとっても便利ですよ♪
(もし「こんな使い方もあるよ!」というアイデアがあれば、ぜひ教えてくださいね!)
……と、少しお話が脱線してしまいましたが!話を食事に戻しましょう。
🌟 ★元保育士Fのプチ裏技!
一人で座って食べ始めた頃のお子さまには、大人が近くで見守りながら「優しく足を撫でてさすってあげる」のも効果的です。
心地よい刺激で自然と足の動きが落ち着き、食事に意識が向きやすくなります。
このときのポイントは、大人は足元を見ずに、お子さまの顔や手元を見ながらさすってあげること!
大人が足元を見てしまうと、子どもも足元が気になって集中が切れてしまいます。
もし足をさすることでかえって足元を気にしてしまうようであれば、この方法は無理に行わずに見守ってあげてくださいね。
② お腹が空いていない・集中力が切れている ⏰
そもそも大人と違って、幼児期の集中力は長くて10〜15分程度と言われています。
また、直前のおやつの量やタイトなスケジュールによって「そもそもあまりお腹が空いていない」というケースも少なくありません。
集中力が切れたり、空腹でない状態でダラダラと食べ続けてしまうのを防ぐために、以下のアプローチを試してみてください。
- 時間のメリハリをつける(時計が理解できる年齢の場合)
「ご飯の時間は〇時〇分までね」と最初にお約束をし、途中で「もうすぐ〇分だよ」と優しく声をかけてあげます。
時間になったら「ごちそうさまにしようね」と一度切り上げるメリハリをつけるのがおすすめです。
こういった対応をすると、きっと「まだ食べたい!」「もっと食べたい!」とお子さまから声が上がると思います。
そんな時は、ぜひ以下のステップでお話をしてみてください。
- 時間の約束を振り返る(最初に時間を決めたよね、と優しく思い出す)
- どうして食べきれなかったのかを一緒に考える(お話に夢中になりすぎちゃったかな?など)
- 「明日はどうする?」と次の行動を決める(「明日はちょっとお話を減らして集中してみようか」など)
この順序でお話をしていくと、お子さまも気持ちを落ち着かせやすく、その場で改善できなくても「次はどうすればいいか」を学ぶ今後に繋がる経験になります。
私個人の考えとしては、食事中に危険なことや極端なマナー違反はその場でしっかり伝えますが、「楽しくお話をすること」自体は決して悪いことではないと思っています。
「楽しくて話すぎちゃったから遅くなっちゃったね。明日はもう少しお話を減らしてみようか!」と、責めずに次の改善へ導いてあげたいですね。
- すぐ立ち歩く時は「理由」を聞いてみる 👂
何度も立ち上がろうとするとき、実はお腹が空いていないだけのこともあります。
子どもの動きには、必ずと言っていいほど何かしらの理由があります。
「もしかしてお腹空いていないかな?」とストレートに聞いてみると、案外「うん」と素直な答えが返ってくることも!
もちろん濁されたり答えが返ってこないこともありますが、まずは一度理由を聞いてみることが大切です。
もし「お腹が空いていない」と分かったら、一旦食事を後回しにしてみたり、次からは食事の前に少し体を動かす遊びを取り入れて「お腹が空く工夫」をしてみるのも良い解決策になります。
- 食事や食材に「興味」を持たせる 🥦
毎日は難しくても、食事自体に興味を持てるような工夫をしてみるのも効果的です。
園では「食育」の時間をとても大切にしています。
カットする前の野菜にそのまま触れてみたり、少し大きいクラスではキノコに毎日水やりをして育てる経験をしてみたり(※衛生管理上、育てたキノコは食べられませんがとても喜びます!)、普段読む絵本の中に野菜が登場するものを選んだりと、さまざまな角度から興味の種をまいています。
ちなみにこのキノコの水やり、園では子どもたちに大人気で「僕がやる!私やる!」と毎日大争奪戦でした(笑)。
全員が一記入れ物へ水をあげるとあげ過ぎになってしまうので、「今日は外遊びの準備が一番早かった子!」と理由を作ってプチご褒美にしてみたり、毎日順番を変えながら「やりたい!」と言ってくれた子全員がちゃんと交代で体験できるように工夫していました。
こうして「自分が関わって育てた」というワクワク感が、そのまま食材への興味や愛情へと繋がっていくのです。
また、食事中にも「今日のスープには何が入っているかな?」「どんな味がする?」と目の前の食材について話しかけてみると、お子さまも「あ!キャベツ入ってる!」と身を乗り出して楽しんでくれるようになりますよ。
「これ、苦手……」と言われた時に「食べたことある?」と聞くと、実は食べたことがない(見た目で拒否している)というのも“子どもあるある”です(笑)。
声かけひとつで嫌いな野菜をパクッと食べてくれる子は少ないですが、時間をかけて関わる中で、一口でも挑戦できた時には私たち保育士も「やったね!」とにっこり嬉しい気持ちになります。
食材への興味づけは一朝一夕では難しいですが、まずは毎日のちょっとした会話から始めてみてくださいね。
③ お茶をブーッと吐き出す「実験」をしている 🥤
お茶を口から出してしまう行動は、大人から見ると「イタズラ」や「お行儀が悪いこと」に見えますが、実は多くの場合、お子さまにとって「これをやるとどんな音がするかな?」「どんな感触かな?」という感覚の実験(発見のプロセス)です。
また、大人が「キャー!ダメでしょ!」と大きなリアクションをしてしまうと、お子さまは「反応してくれた!面白い!」と勘違いして、楽しくなって繰り返してしまうこともよくあります。
📌 【対応のアドバイス】
口から出してしまったら、大人の反応は最小限に抑えるのがポイントです。
「お茶はゴクンするんだよ。遊びたくなったらおしまいね」と静かに伝え、お茶のコップを一旦下げましょう。
「これをやっても大人は面白がってくれない」「吐き出したらお茶がなくなっちゃう」と学習していくことで、自然と落ち着いていきます。
💡 ご家庭だからこそできる!楽しく上手に飲んでもらう工夫
お茶を吐き出さず、美味しくゴクンと飲んでもらうためには「大人が一緒に飲む姿を見せること」も非常に効果的です!
保育園では、大人と子どもが同じものを一緒に飲んだり食べたりするのが難しい場面も多くあります。
もちろん水分補給のタイミングで先生も一緒に飲むことはありますが、0歳・1歳児クラスのお手伝いや次の活動の準備がある時は、なかなかゆっくり一緒に飲むことができません。
その点、ご家庭なら「大人が一緒に飲むタイミング」をたくさん作ることができますよね!
実は、この「大人が一緒に飲む姿を見せる」ということは、普段あまり水分補給をしてくれないお子さまや、お茶で遊んでしまいがちなお子さまにとても効果的です。
- 🥛 大人を真似して「ゴクン」とする練習になる
- 🥂 「かんぱーい!」と声をかけて楽しく飲む習慣ができる
- ☕ 同じコップやデザインを揃えて特別感を出す
- 🗣️ 飲むときに「ゴクゴク、美味しいね!」と音や気持ちを言葉にして伝える
大人が美味しそうに飲む真似をしたり、声かけを工夫するだけで、お子さまの意識が「吐き出す実験」から「真似して飲む楽しさ」へと切り替わっていきます。
🌟 ★「かんぱい」をするときのプチポイント!
子どもは楽しくなると、ついコップを強くぶつけすぎてしまったり、何回も繰り返しておふざけモードに入ってしまうこともありますよね。
そのため、「かんぱいは優しく、ご飯の最初の1回だけね!」と約束しておくのがおすすめです。
一回だけ特別感を味わわせることで気持ちのメリハリがつき、その後は落ち着いてゴクゴク飲めるようになりますよ。
ご家庭ならではの強みを活かして、ぜひ試してみてくださいね!
🌸 最後に……保育現場でも大切にしていた姿勢とご家庭へのメッセージ
保育園でも、最初から全員が完璧に座って食べられるわけではありません。
私たち保育士が現場で特に意識していたのは、「怒って無理やり座らせる」のではなく、「座って食べられた一瞬を逃さず褒める」ことです。
一口でも座って食べられたら「座って食べられてかっこいいね!」「自分でゴクンできたね!」と笑顔で声をかけてあげます。
すると子どもは「座って食べると、先生やお父さん・お母さんが喜んでくれる!」と誇らしい気持ちになり、自発的な「できた!」が増えていきます。
完璧を目指さず、「今日は少し長く座れたな」「一回は足をつけて食べられたな」と小さなできたことに目を向けて、マイナスではなく“プラス”を見つけて伝えていくことが大切です! 是非子どもの様子に合わせて取り入れてみてください。
【質問箱のお知らせ】 今回の「ひそひそばなし」はいかがでしたでしょうか? 質問箱では皆さまからのご質問やトークテーマを募集しています。日頃の育児のお悩みや「こんなこと聞いてみたい!」というテーマがあれば、ぜひお気軽にお寄せくださいね!
